月次レポート 2026年9月 鹿児島県の基準地価、鹿児島市は住宅地+0.3%・商業地+1.9%
鹿児島県の令和8年地価調査(7月1日時点)で、鹿児島市は住宅地が平均+0.3%、商業地が+1.9%と上昇が続きました。天文館の山之口町は県内トップの+6.3%。一方、県全体の住宅地は▲1.0%で29年連続の下落です。地点別の価格と背景をまとめました。

鹿児島市は住宅地・商業地とも上昇が続く
鹿児島県は9月中旬、令和8年地価調査(基準地価)の結果を公表しました。価格は7月1日時点です。県内43市町村の424地点を不動産鑑定士が評価しています。
鹿児島県の地価調査によると、鹿児島市の住宅地は平均0.3%で、上げ幅は前年と同じでした。商業地は平均1.9%で、前年の+1.6%から上げ幅が広がりました。工業地も+2.4%です。
県全体では住宅地が▲1.0%、商業地が▲0.5%でした。下落は続いていますが、下げ幅は前年よりそれぞれ0.1ポイント、0.2ポイント縮みました。
坪単価は1㎡の価格に3.30578をかけて当サイトで計算しました。県の資料は、平均価格は高い地点の影響を受けやすいと注記しています。自分の住む地区の相場は、近くの地点の数字で見るほうが実感に近くなります。
住宅地は中央駅の南側と荒田・鴨池が強い
住宅地で県内の上昇率2位は上之園町(鹿児島-14)の3.1%です。1㎡26万7,000円で、鹿児島中央駅の南側にあたります。4位は薬師1丁目の2.7%、5位は桜ヶ丘6丁目の2.6%でした。
住宅地の価格上位20地点は、すべて鹿児島市です。最高は上荒田町17番6の1㎡26万8,000円でした。今年から調べる地点を入れ替えた場所です。上位10地点には荒田、薬師、鴨池、武、西田が並びます。
県は鹿児島市をいくつかの地区に分けて平均も出しています。住宅地は荒田・鴨池地区が+1.7%、吉野地区と谷山地区がともに+0.8%、市街地周辺部の団地が+0.8%でした。4地区とも上昇は続いていますが、上げ幅は前年より少しずつ小さくなりました。鹿児島市内で価格が上がった住宅地の地点は38で、前年の41から減っています。
上之園町、薬師1丁目、桜ヶ丘6丁目の前年比は県の発表値です。ほかの地点は、令和7年の基準地価格と比べて当サイトで計算しました。
商業地は天文館の周辺が上位を独占
商業地の上昇率は、上位5地点がすべて鹿児島市でした。
県内で最も高いのは、9年続けて東千石町14番3(天文館)です。1㎡105万円で、前年から+1.0%でした。鹿児島中央駅前の中央町24番25は1㎡48万円で3.2%です。
地区別の平均を見ると、天文館周辺の商業地は令和5年の▲0.3%から、令和6年+0.8%、令和7年+3.3%、令和8年+3.7%と推移しています。天文館周辺は令和6年に上昇へ転じ、その後も上げ幅を広げています。鹿児島市によると、天文館の千日町1・4番街区の再開発ビル(地上15階)は2022年4月に開業しました。市の再開発事業の一覧には、加治屋町1番街区の第一種市街地再開発事業も載っています。
県内で上がった市町村、下がった地域
住宅地で平均変動率がプラスだったのは6市町だけです。龍郷町が+2.9%で最も高く、与論町+0.5%、姶良市+0.4%、鹿児島市と西之表市が+0.3%、瀬戸内町+0.2%と続きます。地点別の上昇率1位は龍郷町赤尾木の3.6%、3位は姶良市平松の2.9%でした。
下落幅が大きかったのは湧水町▲3.7%、南さつま市▲3.2%、阿久根市▲2.9%です。地点別では南さつま市の2地点が▲5.2%で最も下がりました。
霧島市は市平均では小幅な下落でした。一方、国分中央4丁目の地点は1㎡3万8,000円で、前年の3万7,500円から上がっています。
背景にある人口と区画整理
県の推計人口(8月1日時点)は149万8,602人で、1年で1万7,486人減りました。鹿児島市も57万8,103人で、1年で1,623人の減少です。1年で人口が増えたのは姶良市(+254人)と西之表市(+346人)でした。この2市は、住宅地の平均変動率もプラスです。
西之表市は商業地も+2.3%でした。7月の路線価の報道でも、KYT鹿児島読売テレビが馬毛島の工期延長の影響に触れています。
谷山では、鹿児島市が谷山駅周辺地区の土地区画整理事業を進めています。面積は15.3ha、期間は平成19年度から令和9年度まで。JR指宿枕崎線の高架化と合わせ、道路や駅前広場を整える計画です。
地価公示・路線価との違い
1月1日時点の令和8年地価公示では、鹿児島市の住宅地が+0.8%、商業地が+1.4%でした。調べる地点と時点が違うため、基準地価の数字とは一致しません。国税庁の2026年分路線価では、県内の標準宅地が平均+0.2%。最高路線価は天文館電車通りの1㎡94万円でした(南日本新聞、KYT鹿児島読売テレビの報道による)。
運営者の見立て
鹿児島市の中心部は上昇が続き、県内の多くの市町村は下落が続いています。この差は今年も縮まりませんでした。
一方で、鹿児島市の住宅地は上がった地点が減り、地区別の上げ幅も小さくなっています。中心部の商業地の強さと、住宅地の落ち着きが同時に表れた結果と当サイトは見ています。
出典・参考資料
- 鹿児島県「鹿児島県の地価」
- 鹿児島県「令和8年地価調査結果の概要」(PDF)
- 鹿児島県「令和8年地価調査結果の概要 参考資料」(PDF)
- 鹿児島県「令和8年 鹿児島県地価調査基準地価格」(PDF)
- 鹿児島県「令和7年 鹿児島県地価調査基準地価格」(PDF)
- 国土交通省「令和8年地価公示の概要」(PDF)
- 鹿児島県「月報(毎月推計人口)」
- 鹿児島県「県推計人口及び人口動態(市町村別)令和8年8月1日現在」(PDF)
- 鹿児島市「千日町1・4番街区市街地再開発事業概要」
- 鹿児島市「市街地再開発事業」
- 鹿児島市「谷山駅周辺地区土地区画整理事業」
- KYT鹿児島読売テレビ「鹿児島県の路線価0.2%上昇で2年連続で上昇」(ライブドアニュース掲載)
- 南日本新聞「2026年路線価 鹿児島県の宅地0.2%増 伸び率は九州最下位」
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