鹿児島市の再開発・まちづくり計画まとめ 中央駅・天文館・本港区・スタジアム【2026年9月時点】
サッカースタジアムは鴨池庭球場の敷地に絞り込まれ、本港区では県の新総合体育館の設計が進んでいます。鹿児島中央駅西口、天文館、本港区、東西道路の計画を、時期と進み具合、住まいや地価との関係で整理しました。2026年9月時点の情報です。

2026年9月時点の主な計画
鹿児島中央駅周辺:次の焦点は西口の県有地
駅の東西では、ここ数年で大型ビルが完成しました。東口の中央町19・20番街区では、地上24階・高さ約100mの再開発ビルが2021年1月に完成しています(鹿児島市)。西口では、JR九州の「JR鹿児島中央ビル」が2023年3月に竣工しました。地上11階、延べ約3万1,900㎡で、4〜10階がオフィスです(JR九州)。
次の焦点は、西口の県工業試験場跡地です。所在地は武1丁目で、面積は9,624㎡。今は一般駐車場(232台)、バス駐車スペース、緑地として暫定利用されています。用途地域は商業地域で、容積率は400%です。
県の検討委員会は2025年9月に提言書を出しました。内容は次のとおりです。
- バス駐車スペースと、緑地などの多目的オープンスペースを入れる
- 人・もの・情報の交流、県内企業の支援、人材育成に役立つ機能が望まれる
- 土地は公有地のままとし、整備運営には民間資金も使う
2026年9月時点で、具体的な施設や着工時期は決まっていません。
住まい・地価との関係
2026年の基準地価(7月1日時点、県発表)では、中央町24番25の商業地が1㎡48万円で3.2%でした。駅東側の住宅地、上之園町33番9は1㎡26万7,000円で3.1%。県内の住宅地で上昇率2位です。
駅の徒歩圏は、すでに価格水準が高い地域です。西口跡地の中身が決まれば、周辺の評価が変わる可能性はあります。ただ、何ができるか決まっていない段階で価格への影響を見込むのは早い、というのが運営者の見立てです。
天文館:センテラスの次の構想
千日町では、タカプラ跡地一帯を再開発した「センテラス天文館」が2022年4月に開業しました。延べ面積3万6,645㎡で、商業施設、天文館図書館、ホテル、オフィスなどが入る複合ビルです。
次の構想は、天文館通り周辺の東千石町12・13番街と千日町15番街区です。両街区の合計は約1ヘクタール。地権者や地元の商工会議所が中心となり、鹿児島中央タワー(約100m)より高い建物も視野に検討していると、2025年3月に報じられました(健美家)。2026年9月時点で、都市計画決定や組合設立などの手続きは確認できませんでした。
住まい・地価との関係
2026年の基準地価で、県内の商業地の上昇率上位4地点は、すべて天文館とその周辺でした。
東千石町14番3は県内の最高価格地点です。県の資料では、天文館周辺の商業地の平均変動率は+3.7%でした。天文館の周辺でマンションを探す場合、土地の値上がりが分譲価格に反映されやすい状況です。
本港区:新総合体育館とホテルの移転
ドルフィンポート跡地には、県が新総合体育館(スポーツ・コンベンションセンター)を整備します。メインアリーナとサブアリーナで、バスケットボールコート6面分。観客席は8,000席程度です。設計期間は2025〜2028年度で、県債を使い30年で返す従来型の手法です(鹿児島県)。
基本設計で2027年4月までに概算建設費を出し、具体的な建設費は実施設計が終わる2028年7月以降に示す予定です(南日本新聞、2026年6月20日)。県のページに、供用開始の目標時期は書かれていません。
2026年6月に報じられた設計案では、2つのアリーナを大屋根でつなぎます。屋根の最高高さは28m。市街地側から桜島が見えるよう、屋根の谷の部分を配置しています(南日本新聞)。
隣の住吉町15番街区には、鹿児島サンロイヤルホテルが移転新築します。開業予定は、当初から1年遅らせた2032年4月です(KTS、2025年11月)。
市電を本港区へ延ばす構想も残っています。4つのルート案の平均で延伸距離は約2.6km、事業費は約73億円と試算されました。市は需要を把握しきれていないとして、県と情報を共有しながら検討を続ける考えです(南日本新聞、2025年12月)。
住まい・地価との関係
本港区は港に面した県有地が中心です。住まい探しで関係するのは、周辺の住宅地になります。8,000席規模の施設ができると、イベントの日の人や車の流れが変わります。周辺に住む人は、今後示される交通計画を確認しておくと安心です。
サッカースタジアム:鴨池庭球場の敷地に絞り込み
鹿児島市は2026年8月24日の市議会委員会で、スタジアムの候補地を「県立鴨池庭球場敷地等」とし、鹿児島サンロイヤルホテル敷地等を検討から外すと報告しました(鹿児島市)。場所は与次郎2丁目で、約3.4ヘクタールです(日刊建設工業新聞)。
2026年5月に市が示した調査結果では、庭球場案の概算整備費は約215億円でした。ホテル敷地案の約293億円より78億円安く、供用開始も2036年ごろと2年早い見込みです。席数は約15,600席、駐車場は146台です(南日本新聞)。敷地の制約から、商業施設などを併設する「複合化」は断念しました(KKB、2026年9月)。本港区の北ふ頭も一時は候補でしたが、2024年2月に白紙に戻っています。
住まい・地価との関係
鴨池・与次郎の周辺は、住宅地の地価が上がっている地域です。鴨池2丁目の基準地は1㎡20万7,000円で2.0%でした。一方、スタジアムの駐車場は146台の計画です。試合の日の周辺道路がどうなるかは、県と市の協議で詰められる課題です。
道路:鹿児島東西道路のトンネル
国道3号の鹿児島東西道路は、田上ICと甲南IC(仮称)を約2.3kmのトンネルで結ぶ計画です。2026年4月時点で、掘削は約98.5%の2,286mまで進み、残りは36mでした(南日本新聞)。開通時期は未定です。
開通すれば、九州道や南九州西回り道の方面から中心部への車の流れが変わります。田上や武など西側の住宅地では、車で通勤する人の時間が短くなる可能性がある、と運営者はみています。
出典・参考資料
- 多機能複合型スタジアムの整備検討(鹿児島市)
- 【速報】鹿児島市の新サッカースタジアム整備費、鴨池庭球場案は215億円(南日本新聞、2026年5月29日)
- 「多機能複合型」外しても…サッカースタジアム計画2案とも200億円超 駐車場146台のみ(南日本新聞、2026年5月29日)
- 鹿児島市/サッカースタジアム候補地/鴨池庭球場敷地で県と協議へ(日刊建設工業新聞、2026年8月26日)
- 鹿児島市のサッカースタジアム 複合化断念で年間最大約4000万円の収支悪化(KKB鹿児島放送、2026年9月16日)
- スポーツ・コンベンションセンターについて(鹿児島県)
- 新総合体育館 来年4月に概算額を算出 具体的な建設費は28年7月以降(南日本新聞、2026年6月20日)
- 新体育館設計提案 本港区エリア景観デザイン協が桜島の眺望確保を確認(南日本新聞、2026年6月13日)
- 鹿児島サンロイヤルホテル、住吉町に新築移転へ 開業は当初予定から後ろ倒し(KTS鹿児島テレビ、2025年11月28日)
- 73億円かける価値は…鹿児島市電、本港区エリアへの延伸コストを試算(南日本新聞、2025年12月13日)
- 貫通まであと36メートル…鹿児島東西道路トンネル掘削98%完了(南日本新聞、2026年4月28日)
- 県工業試験場跡地利活用検討委員会(鹿児島県)
- 提言書 鹿児島県工業試験場跡地の利活用の方向性について(2025年9月)
- JR鹿児島中央ビル(JR九州)
- 中央町19・20番街区市街地再開発事業概要(鹿児島市)
- 鹿児島の繁華街、天文館通り周辺で再開発計画の策定が進行中(健美家、2025年3月17日)
- Cen Terrace(千日町1・4番街区再開発)(アール・アイ・エー)
- 千日町1・4番街区市街地再開発事業「センテラス天文館」開業(プライムプレイス)
- 鹿児島県の地価(令和8年地価調査の結果)(鹿児島県)
- 令和8年地価調査結果の概要(鹿児島県)
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