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鹿児島の賃貸市場を数字で見る 人口・世帯・空き家・家賃と地区ごとの違い

鹿児島市の人口は2025年国勢調査の速報で58万970人と5年で2.0%減りましたが、世帯数は増えています。単身世帯の割合、空き家率、家賃の水準、大学や自衛隊などの需要、地区ごとの違いを公的統計で確かめ、投資前に見る指標をまとめました。

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人口は減り、世帯は増えている

鹿児島県は2026年5月、2025年国勢調査の速報を公表しました。県の人口は151万2,969人で、2020年から7万5,287人(4.7%)減りました。世帯数は72万2,614世帯で、5,565世帯の減少です。

鹿児島市の人口は58万970人です。5年で1万2,158人(2.0%)減りました。一方、世帯数は27万9,644世帯から28万4,593世帯へ4,949世帯増えています。1世帯当たりの人数は2.04人です。

県内の市町村で人口が増えたのは姶良市だけでした。

鹿児島市の推計人口は、2026年9月1日現在で57万6,015人、世帯数は28万7,977世帯です。賃貸の需要を見るときは、人口より世帯数の動きを見ます。部屋を借りるのは人ではなく世帯だからです。

借家の中心は単身世帯

2020年国勢調査で、鹿児島市の一般世帯27万9,011世帯のうち、1人世帯は11万7,959世帯でした。割合は42.3%です。県全体の1人世帯は38.9%で、2015年から9.7%増えています。

民営の借家に住む10万2,422世帯に絞ると、1人世帯は6万6,996世帯で65.4%を占めます。鹿児島市の民間賃貸は、単身者の需要が中心です。

空き家は増えている

2023年の住宅・土地統計調査によると、鹿児島県の総住宅数は89万9,600戸、総世帯数は72万1,200世帯でした。1世帯当たり1.25戸で、住宅が世帯を上回っています。

空き家は18万4,200戸で、空き家率は20.5%です。全国の13.8%を大きく上回り、2018年の19.0%から1.5ポイント上がりました。空き家のうち賃貸用は5万3,800戸(29.2%)です。借家に住む世帯は24万2,200世帯なので、単純に割ると借家4.5世帯に対して賃貸用の空き家が1戸ある計算です。

鹿児島市の空き家は5万1,080戸、空き家率は15.3%で、2018年より3,500戸増えました。市の空家等対策計画によると、2018年時点で市内の空き家の56%が賃貸用でした。

6階建以上の共同住宅は5年で8,600戸増えました。新しいマンションが増えるほど、古い物件は家賃や設備で比べられます。

家賃の水準

住宅・土地統計調査(2023年)では、借家に住む世帯の1か月当たり家賃の平均が市町村ごとに出ています。公営住宅や社宅、家賃0円の世帯も含む平均なので、民間の募集家賃より低く出ます。

鹿児島市の平均は全国の約8割です。年齢別では、25〜34歳の世帯が52,185円、65歳以上の世帯が38,238円でした。

霧島市と薩摩川内市では、25歳未満の借家世帯の7〜8割が家賃1万円未満の区分に入っています(霧島市は3,640世帯中2,550世帯、薩摩川内市は3,340世帯中2,670世帯)。編集部は、社宅や寮の家賃が平均を押し下げていると見ています。平均家賃だけで地域の相場を判断しないでください。

賃貸需要を支えるもの

大学

鹿児島大学の学生は2025年5月1日現在で1万213人(学部8,617人、大学院1,596人)です。キャンパスは鹿児島市の郡元、桜ケ丘、下荒田にあります。

企業と自衛隊

霧島市には陸上自衛隊国分駐屯地や京セラの工場があります。薩摩川内市には陸上自衛隊川内駐屯地、京セラの工場、九州電力川内原子力発電所があります。鹿屋市には海上自衛隊鹿屋航空基地があります。

こうした地域では、転勤者や単身の従業員の住まいが賃貸需要の柱になります。工場の増設や縮小、部隊の配置の変化があると、その地域の空室に直接響きます。

鹿児島市内でも地区で違う

鹿児島市の推計人口を支所の管轄別に見ると、動きがはっきり分かれます。

天文館や鹿児島中央駅を含む本庁管轄は、人口が9,550人減った一方、世帯は7,197世帯増えました。世帯が小さくなり、単身化が進んでいます。谷山も同じ傾向です。

伊敷は人口が10.4%減り、世帯数も減りました。吉野と松元は人口・世帯とも増えています。

市外では、姶良市が県内で唯一人口を増やしました。霧島市の減少は2.2%にとどまり、鹿屋市と薩摩川内市は5%前後減っています。

投資を考える前に見る指標

  1. 市町村と地区の世帯数の推移。人口と逆の動きをすることがあります
  2. 単身世帯の割合と、民営借家に住む1人世帯の比率
  3. 空き家率と、賃貸用の空き家の数
  4. 公的統計の家賃と、募集中の家賃の差
  5. 大学・企業・自衛隊など、需要の元になる施設の動き
  6. 物件の周りで新しい共同住宅が増えているか

次にやること

  • 検討している地区の町別の人口と世帯数を、鹿児島市の「推計人口町別基礎表」で確かめる
  • 同じ地区の中古マンションの取引価格を、国土交通省の不動産情報ライブラリで調べる
  • 募集中の家賃と空室の数を、複数の賃貸サイトで数か月追う

出典・参考資料

  1. 鹿児島県「令和7年国勢調査(人口速報集計)」
  2. 鹿児島県「令和7年国勢調査結果 鹿児島県速報」(PDF)
  3. 鹿児島県「令和2年国勢調査結果(人口等基本集計結果:世帯の構成)」
  4. 鹿児島市「令和2年国勢調査」(第14表 世帯人員の人数、住宅の所有の関係別一般世帯数ほか)
  5. 鹿児島市「推計人口(令和8年9月1日現在)」
  6. 鹿児島県「令和5年住宅・土地統計調査 鹿児島県結果概要」(PDF)
  7. 総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要」(PDF)
  8. e-Stat「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計」(第48-2表 借家の1か月当たり家賃)
  9. 鹿児島市「空き家等の適正管理」
  10. 鹿児島市「鹿児島市空き家等対策計画 空き家等の現状」(PDF)
  11. 大学ポートレート「鹿児島大学」

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