鹿児島県の住宅着工 7月は前年比26%減も4〜7月累計は前年超え
2026年7月の鹿児島県内の新設住宅着工戸数は368戸で前年同月比26.3%減。全国は8.2%増でしたが、4〜7月の累計では前年を5.3%上回っています。

写真: そらみみ / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons、縮小・トリミングして使用。ライセンス)
新設住宅着工戸数(あたらしく着工された住宅の戸数を国土交通省と都道府県がまとめる統計)は、住宅市場の動きを毎月確認できる数少ない公的データの一つです。鹿児島県のオープンデータサイトが公開している最新の月別データを見ると、2026年7月は前年を大きく下回る一方、4〜7月をまとめた累計では前年を上回っていました。単月の数字と累計の数字で見え方が変わる例として、内訳とあわせて読み解きます。
7月の着工戸数は368戸、貸家の落ち込みが目立つ
鹿児島県のオープンデータによると、2026年7月の新設住宅着工戸数は368戸でした。前年の2025年7月は499戸だったため、前年同月比では26.3%の減少です。
利用関係別の内訳を前年と比べると、次のようになります。
貸家(アパートなど賃貸目的の住宅)の着工が59戸と、前年の162戸から63.6%減ったことが、7月全体の減少の主な要因になっています。持家や分譲住宅も減っていますが、下げ幅は貸家ほど大きくありません。
全国は8.2%増、鹿児島は逆の動き
国土交通省が公表した2026年7月分の建築着工統計調査報告によると、全国の新設住宅着工戸数は66,439戸で、前年同月比8.2%の増加でした。持家・貸家・分譲住宅のいずれも全国では増加しており、鹿児島県の7月の落ち込みは全国の流れとは逆の動きです。
なぜ鹿児島県だけ減ったのか、その理由まではこの統計だけでは分かりません。着工戸数は工事の契約や資材の手配など、個々の事情によって月ごとの件数が動きやすい数字です。1つの月の増減だけで市場全体の方向を決めつけないことが大切です。
4〜7月の累計では前年を上回っている
7月単月の数字だけを見ると鹿児島県の住宅需要が弱まったように見えますが、2026年度が始まった4月からの累計で見ると印象が変わります。
2026年度の4〜7月累計は2,150戸で、前年同期の2,042戸より5.3%多くなっています。2026年6月は710戸と単月では突出して多く、7月の落ち込みを埋め合わせる形になりました。鹿児島県のように1か月あたりの着工数がもともと少ない地域では、月ごとの増減率が大きく振れやすいという点は、この数字を見るときに押さえておきたいところです。
木造・持家中心という鹿児島県の着工の特徴
2026年7月の内訳を建て方・構造別に見ると、鹿児島県の着工の特徴が見えてきます。
- 木造が337戸で、全体の92%を占めています
- 一戸建てが320戸で、全体の87%を占めています
- 共同住宅(アパート・マンションなど)は23戸にとどまります
貸家の着工が減った7月は、共同住宅の着工数も少なくなっており、内訳の数字は整合しています。分譲住宅のうち「うちマンション」の欄は2026年7月時点で0戸で、県内の分譲は一戸建てが中心という状態が続いています。
この数字を購入・投資の判断にどう使うか
新設住宅着工戸数は、これから市場に出てくる住宅の量を示す先行指標(将来の供給量を先に示す数字)です。賃貸経営を検討している人にとっては、貸家の着工数の増減が、今後その地域に増える競合物件の量を考える手がかりになります。着工から入居募集が始まるまでには一定の工事期間があるため、着工が増えた時期のあとに、周辺の賃貸募集が増えることがあります。持家の着工数は、地元の住宅需要の強さを大まかにつかむ材料になります。
ただし、この統計は着工の「戸数」を数えたものであり、価格や家賃、空室率までは分かりません。市場を判断するときは、地価や成約価格、家賃相場など複数の数字と合わせて見ることが必要です。県外から鹿児島県内の賃貸物件への投資を検討している場合は、実際の空室状況や募集の動きを、検討している地域の管理会社や賃貸情報サイトの掲載数でも確認してください。
次にやること
- 鹿児島県のオープンデータサイトや国土交通省の発表資料で、8月以降の着工戸数が更新されているか確認してみてください。
- 賃貸経営を検討している場合は、貸家の着工数の推移とあわせて、検討しているエリアの空室率や家賃相場も調べてください。
- 持家の取得を考えている場合は、着工戸数だけでなく、住宅ローン金利や土地の価格の動きも合わせて確認してください。
出典・参考資料
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